気づきの伝道師 藤井一規です。
私たちは、急いで対応しなければならないことに振り回されてしまったりする。
急ぎの用事とか、急ぎの仕事って言葉は、身近にあったりする。
しかし、用事や仕事が急いでいるわけではない。
急いでいるのは人だ。
今日は、急ぐときの注意点について考えていく。
<ブログリンク>
http://shitsumon-alacarte.com/mental/11770/
この記事の目次
「急ぎの用事などありはしない。
急いでいる人々がいるだけだ」
by アラン・コーナー (仏の哲学者、思想家)
言われてみればなるほど。
用事そのものが急いでいるわけではなく、
急いでいる人がいるから、急いで終わらせたい用事ができる。
スピードを要求されるとき、どのように対応することになるだろうか?
<スピードをあげるには1>
同じ内容をしなくてはならないとなれば、
完成を早くするためには、
たくさん時間や関わる人を注ぎ込む。
ひとつひとつの取り組みスピードを速くする。
無駄を省く。といったことが求められる。
初めて取り組むことや、実際のイメージをつかみにくことであれば、
あれこれと考えてから始めるのではなく、
まずやってみて、修正していった方が速い、ということがある。
やり直す無駄は出るかもしれないが、やってみないことにはなにが良いか、
わからないような場合には有効だ。
逆に、経験のあること、わかっていることなら、
過去発生した無駄を省くことで速度を上げることができる。
<スピードを上げるには2>
また、ゆっくり調整していれば、膨大な時間がかかるようなことも
トップの鶴の一声で決めてしまえば、
それに基づくやり方で動き出すことができる。
利害関係が複雑に絡み合っていると、
合議していたら、なかなかまとまらない場合もある。
そんなときには、最初に方針や決め事を設けておくことは有効な施策だ。
もう一つは、完成度を落として終わらせることだ。
完成版はまた後日に取り組むことにして、
当面を乗り切る施策だけにフォーカスしていく方法だ。
大きな後戻りをしなくても済むようにできれば、
こういう選択肢もありうる。
あと、質を落とすという可能性もあるが、
守りたい基準をクリアできれば良いが、
下回るようなものは、あくまで暫定策と考える必要がある。
<急ぐときの問題点>
急ぐときには、準備に掛ける時間が
どうしても少なくなり、リスクが高くなる。
時間があればリスクに備えることもできても、
十分できないままになってしまうことになる。
また、長期的な視点で考えれば、多少回り道的に進めた方が良いことも、
短期で成果を出さなければならない、となれば、
すぐ作り直さなければならないものを生み出す可能性が高まる。
さらに正当な手順に従っていると、時間がかかりすぎるとなれば、
反則的な方法で進めたりってことになる。
そして、よりスピードを求められると、反則に反則を重ねて、
いつのまにか、とんでもないやり方になってしまったりする。
最悪なのは、考えることをやめてしまい、
ちょっと考えれば、そこに問題が発生することは
想像できるにもかかわらずに進めてしまうことだ。
急ぎ過ぎてしまうと、酷い結果を招くことがある。
<何を目指しているのか>
たしかに、業務命令をこなしたり、期限を守るために、
急ぐ意識が生まれ、要求を満たすことだけに意識が向かいがちになるもの。
しかし、スピードばかりを意識していると、
見栄えばかりで、中身のないものが出来上がっていったりする。
本当に実現したいものは何なのか?
何を目指しているのか?
大急ぎの渦に巻き込まれる前に、
ちょっと立ち止まって、考える時間をもっておきたい。