気づきの伝道師 藤井一規です。
モノがあふれる時代になり、発展途上国など生産コストの安いところからの輸入が増えて、
製造業はその多くの場をどんどん海外に取られつつあります。
そんな中、あえて家電などの製造を拡大している日本企業もあります。
今日はビジネス的な視点で、需要を創造することについて考えていきます。
<ブログリンク>
http://shitsumon-alacarte.com/mental/12574/
この記事の目次
「お客さま目線で、お客さまの満足する価格帯で満足する商品を作る力が重要です。それが今まで需要を創造してきた最大のポイントです」
by 大山健太郎(実業家)
家電の分野でもその存在感を増しつつある、アイリスオーヤマ。
コスト競争力を失いつつある日本の家電業界で、着実に伸びている理由は何なのだろう?
需要創造に成功したポイントについて、もう少し考えていく。
<成熟市場>
必要なものは何でも手に入る社会になって、単純につくって売るだけの企業活動は、
発展途上国など、人件費やコストの安い国にどんどんシフトしていく。
製造業も「需要創造」に着手し、成功した会社が生き残っていくようになった。
需要創造のアプローチの方法はいくつかある。
従来は、高機能の提供がその主流となっていたが、それも限界を迎えつつある。
もちろん、この方法が絶えることはない。
人々が望む画期的な機能が登場すれば、求められていくだろう。
しかし、最近苦労して開発された超多機能で、高額の家電製品について
家電量販店などで説明を受けることがあるが、
買ったとしても、使わないだろうなって機能だと思うことは多い。
実際使いこなしている人は、ほとんどいなかったりするのではないか。
<引き算による需要創造>
高機能、高価格化のアプローチの限界を見据えたとき、
製造業離れという傾向が起こりやすくなる。
しかし、そんな市場の中で成長をみせている会社もある。
これなら買ってもいいな、と思える価格を基準にして、
必要な機能に絞って提供するという、引き算のアプローチによる事業展開がそのひとつだ。
新機能、高機能を独自開発となると、開発コストはとてつもなく大きくなるが、
既存の技術に絞ったり、公開されている効果的な新技術を従来機能に適用することで、
コストを抑えながら、必要な機能をもった製品を生み出すことができる。
<売れる商品>
売れている商品、よく見かけるようになった商品をよく観察してみて、
何が受け入れられているのかを考えてみるのはおもしろい。
日常の困りごとを解決していたり、不安を解消していたり、
これまで経験したことのない、新たな体験をもたらしたり。
そして、これくらいの価格でこの機能なら、買ってもいいなと思わせる
引き算によるアプローチも、需要創造の一つになっていく。