気づきの伝道師 藤井一規です。
大変なとき、苦しいとき、どんな表情になりますか?
必死な表情かもしれません。厳しい表情かもしれません。
しかし、そんなときだからこそ、笑顔になると良いと、
住友金属鉱山の元社長の藤森正路さんは言います。
今日は、藤森正路さんの言葉から、苦しいときの乗り越え方について考えていきます。
<ブログリンク>
http://shitsumon-alacarte.com/mental/12875/
この記事の目次
「苦しい時でも、とにかく笑っていろ。笑える余裕、ゆとりがないと判断を間違える」
by 藤森正路(実業家)
必死でやらなければならないとき、苦しいときこそ、集中力や判断力が求められる。
判断を間違えてしまえば、さらなる泥沼にはまってしまう可能性がある。
苦しいときでも笑っていろというこの言葉、もう少し味わっていく。
<苦しいとき>
苦しい状況におかれたと想像すると、身体はどんな反応をするだろうか?
身体に力が入って固くなり、呼吸が抑えられたりする。
ちょっとしたことにも過剰に反応してしまったり。
また、苦しい状況であれば、浮かんでくる選択肢も狭くなっていて、
発想の自由度も失われていることだろう。
心も身体も、苦しい状況に一致した状態になっていく。
私たちは身体が苦しい状態になったと気づくと、
ああ、いま苦しいんだ、と感じとってより苦しさを感じたりする。
<身体がこころをリードする>
しかし、なりたい状態は、苦しい状態ではないはず。
積極的に違う状態のときになる身体の状態にすることは、
苦しい状態から抜け出す早道かもしれない。
こんな心理実験がある。
感情については何も触れずに、
ペンを歯で挟むように言われたグループと
ペンを唇で挟むように言われたグループとで比較すると、
「今日はどんな一日でしたか?」という質問への答えに明らかな優位さが出たという。
歯に挟んで、笑顔に近い状態になったグループは、
より、楽しい一日だったと答えたという。
唇に挟んで、不満の表情に近くなったグループは、
より、嫌な一日だったと答えたのだ。
たとえ感情を意識せずに、造り笑顔をしていたとしても、
笑顔が引き起こす感情や、関連した身体の状態になっていくのが人間のようだ。
<苦しいときこそ>
苦しいときこそ、より発想豊かに、正確に、速く判断していきたいもの。
脳がより活動的になれるように、新しい酸素をたくさん取り込めるようにしたり、
血やエネルギーの巡りを良くするために、身体を緩めたりすることが重要になる。
苦しそうな身体の状態は、望む状態とは正反対。
呼吸が浅く小さくなり、身体は固くなっている。
そんなときだからこそ、笑ってみる。笑顔になってみる。
笑って、呼吸して、身体を緩めることは、
単に苦しさをごまかそうとするというものではなく、
苦しさから抜け出すための有効な知恵だと言える。