気づきの伝道師 藤井一規です。
石垣を組み上げようとするとき、
見栄えの良い、大きな石だけでつくりたいと思うかもしれない。
しかし、やはり小さな石がないと、うまくいかなかったりする。
今日は、プラトンの言葉から考えていきます。
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この記事の目次
「石工はみんな知っている。小さい石もないと、大きな石だけでは石垣は上手に積み上げられないと」
by プラトン(古代ギリシアの哲学者)
自分は必要ではないのではないか? そんな風に考える人がいたりする。
そんなことはない。誰にも存在する価値があり、役に立っていくことができる。
プラトンの言葉をもとにもう少し考えていく。
<石垣を見てみる>
プラトンの時代の石垣を見てみると、
大きな石と石との間に、小さな石が入っていることに気がつく。
大きな石だけで作ろうとしても、安定してはくれないが、
小さな石たちを、要所要所にはめていくことで安定させられる。
大きく、見栄えの良い石だけで全体を構成するよりは、
小さな石も活用していく必要がある。
どんな人間も必要であり、役に立っているものなのだ。
<技術の進歩>
日本のお城の石垣を調べてみると、あるときから大きく変化している。
石垣の表面をみていくと、古い城では
大きな石と大きな石との間に、小さな石が入っていることに気がつく。
さまざまな大きさの石をうまく組み合わせて作られている。
プラトンの言うことがよくわかる。
しかし、新しい城になるとちがってくる。
石の大きさも形も比較的そろった、きれいな表面になっている。
大きな、整った石たちがずらっと表面にある。
これは、以前は石を割るというやり方だったのが、石を切り出す技術が発達し、
思うように石の形を整えることができるようになり、
小石を挟まなくても石垣表面を組み上げられるようになったからだ。
え?では小さな石は役に立たないのでは?
いえいえ、そんなことはありません。
<小さな石もなくてはならない>
石垣もともと表面に出ている部分の裏に、
裏込め石という小さな石がたっぷりと詰まっている。
これがあって、適度な排水効果が得られるとともに、
安定的で強固な石垣とすることができている。
やはり単に美しく整った石だけでは、長期間安定的に、
充分に強度を持った石垣を積み上げることはできないようだ。
もちろん、石垣以外にも小さな石の活躍の場があるのは言うまでもない。
自分が優れた能力がないからといって、役に立たないと決めつける必要なんてない。
それぞれ担うことは違ってくるかもしれないが、
必ず居場所、存在する価値を見つけることはできるもの。