気づきの伝道師 藤井一規です。
人の一生をたとえた言葉はたくさんあります。
その中でも、もっとも有名なひとつを取り上げ、
しばらく考えていきます。
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http://shitsumon-alacarte.com/mental/15952/
この記事の目次
「人の一生は、重荷を負うて遠き道をゆくがごとし。急ぐべからず」
by 徳川家康(武将、戦国大名、江戸幕府初代征夷大将軍)
徳川家康の遺訓とされる言葉の冒頭にある一節。
しかし実はこれ、家康が語った言葉ではない。
なぜ家康の言葉とされているのかも含め
もうしばらく掘り下げていく。
<徳川家康の神格化>
日本統一に成功した徳川幕府が考えたことは、
社会を安定させることだ。
それには、幕府の偉大さを示すとともに、
徳川家そのものの内紛も避ける必要があった。
そのために考え出されたひとつが、徳川家康の神格化だった。
徳川幕府の祖を神として扱うことで、徳川家が統治して当然だし、
神、家康の考えに従うように、とすれば従いやすくなるようにした。
この言葉は、水戸のご老公として知られる、
徳川光圀の遺訓といわれる「人の戒め」をもとに、
幕臣の池田松之助が、家康の遺訓としてまとめたものだ。
<人の一生は>
人の一生は、重荷を背負って遠い道のりを歩いていくようなもの。。。
確かに家康の人生を考えてみると、
我慢の連続、負け戦も経験したり、じっと機を待って耐えたり、
ときに命からがら逃げ伸びたり。
家康が語ったとしても不思議ではない言葉だ。
実に長期間にわたる困難を乗り越えて
日本を統一した家康の言葉として聞くと、
人生は辛いことがあるのが当たりまえ、
というこの言葉の説得力も増してくる。
誰が語った言葉か、ということで、
言葉の重みに違いが生まれてくる。
<人生は辛い?>
ただ、この言葉からは人生は大変なものだ。
というイメージばかりが受け留められがち。
しかし、本当にそうだろうか?
うれしいこと、楽しいこともいっぱいあるはず。
大変な日常があって、たどり着きたい目標までの道のりははるか遠い。。。
ものすごく大変だ。。。
そんな思いにとらわれているひとは多い。
でも、本当にそれだけなのだろうか?
<人生の楽しみ>
確かに背負う荷物があって、重いかもしれない。
しかし、目の前には美しい花が咲いていたりする。
いい香りがするかもしれない。
耳を澄ませば、美しい鳥の声が聞こえてくるかもしれない。
心地い風がほほに当たっているかもしれない。
歯を食いしばって、遠くを見つめるのもいいけれど、
そればかりが人生ではない。
今この瞬間を楽しむことは、きっとできる。
荷物だって、詰め方を変えて何を優先するかや、背負い方で
重さの感じ方が変わったりもする。
目指す道を進む中にも、楽しめることがいっぱいあるはず。