気づきの伝道師 藤井一規です。
私たちはどうも賢い存在だと思われたいのかもしれません。
しかし、愚者だと人に思われても、
成し遂げることを大切にすべきなのかもしれません。
しばらく考えていきます。
<ブログリンク>
http://shitsumon-alacarte.com/mental/18054/
この記事の目次
「愚者の実験が好きで、私は常にそれを行っている」
by チャールズ・ダーウィン(英の自然科学者、地質学者、生物学者)
効率的で、すぐに成果が出て、認められる。
科学者であれば、そういう道を選択したいかもしれない。
しかし、ダーウィンは地道に、ひとつひとつ可能性を検討してはつぶしていく、
そんな実験を好み、続けていった。
ダーウィンのこの言葉を
もう少し掘り下げていく。
<疑問>
ダーウィンは、22歳でケンブリッジ大学神学部を卒業すると、
恩師の紹介でイギリス海軍の測量船ビーグル号に乗船することになる。
牧師なら、空いた時間の多くを博物学に費やすことができると考えていた
彼にとって、幸いなことだった。
ビーグル号は5年をかけて、南米、ガラパゴス諸島、ニュージーランド、
オーストラリア、ケープタウンを回った後、イギリスにもどった。
各地で、珍しい生物に触れたダーウィンは、神学校を卒業しながら、
神が全てを創造し、それ以来ずっと不変だとする考え方に疑問を抱くようになった。
ところが、ほとんどすべての周りの人が、神が創造したままだと信じる中で
自分の疑問を認めてもらうことは容易ではなかった。
<地道な活動>
しかし、いきなり神を否定して、社会秩序を揺るがそうとするのは危険
という意見も聞き入れ、対決姿勢を示そうとはせず、
科学者らしいアプローチをすすめていった。
冷静に科学的根拠を示し、自分の疑問の妥当性を
地道に積み上げていったのだ。
ビーグル号での旅で経験、収集したサンプルは、
貴重な資料となった。
世界での生物分布、絶滅したもの、生き残っているもの、
膨大な時間をかけて、整理していくうちに、
ある種が、別の種に変化していくという考え方のほうが
妥当だと思い始めた。
環境に適合する変異が残り、適合しないものは滅びていく、
自然選択説がもっとも可能性が高いと考え、
それを実証する証拠を地道に集めていった。
畜産から、植物に至るまで、幅広い対象を
コツコツと調べていった。
<愚者のようでも賢者>
そして、彼の自然選択説という枠組みに、
膨大な証拠が詰め込まれ、種が進化していくことが
認められていった。
彼自身が愚者の実験と言っていたが、
愚者ようにみえる行為を地道に積み上げて、
達成することができる人も
賢者だと言えるのかもしれない。
なにもかもスマートに、効率的にすればよい、
というものではないのだ。