気づきの伝道師 藤井一規です。
何かに取り組んでいると、自分の得意な形ができたりします。
得意な形があると、つい繰り返してしまいがちです。
しばらく考えていきます。
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この記事の目次
「『自分の得意な形に逃げない』ということを心がけている」
by 羽生善治(将棋棋士)
何かに取り組むとき、自分の形を持っているって大切。
効率の上がるやり方だったり、考え方を持つことは役に立つ。
しかし、羽生さんは困ったからといって、得意な形に逃げないことを
意識していたという。
もう少し掘り下げていく。
<得意な形>
得意な形を持っているということは強みになる。
自信を持って立ち向うことができるって素晴らしい。
闘うなら、敵の得意な形で戦うのは避けたいと思うもの。
得意な形があるというだけで、
プレッシャーをかけることができるかもしれない。
得意な形は持っておきたいもの。
<得意に逃げない>
しかし、羽生さんは得意に逃げないように、と考えていた。
得意だからといって、そればかりをしていたら、
真の強い棋士にはなれないと考えた。
得意な形にもちこもうとすれば、
対戦相手は、しばらくの間、こちら側の動きを予想できる。
相手の手を確実に読めるって、こんなにありがたいことはない。
それに、どんな状況でも臨機応変に対応できるのが、
真に強い棋士と言える。
だから、羽生さんは、得意な形にもっていこうとするのを
「逃げる」と表現したのだろう。
<開拓者>
将棋や囲碁の世界では、定石といった、
研究しつくしたと考えられているパターンがある。
しかし、パターンのまま打っているとしたら、
新たな可能性を見出すことができなくなってしまう。
ただ一定の結果がやってくるだけだ。
自分の可能性、将棋の可能性を開拓していこうとすれば、
今まで経験のない打ち方をする必要がある。
まだ誰も見たことがないような打ち方を見出すことは、
未知の世界を開拓するようなもの。
得意なパターンに持っていこうとするのは、
開拓者としては適切ではないかもしれない。
羽生さんは、将棋の新たな可能性をみつけようとしているのだ。
<臨機応変>
わたしたちも、一つの得意なやり方しか知らないでいるとしたら、
何らかの理由で、それが使えなくなったとしたら、途端に困ってしまう。
日常生活でも、仕事でも、頼っていた機械やシステムが動かなくなったら、
何もできなくなってしまうように。
今までとは違う、より効率的な解決方法はないかと
常に意識している人と、そうでない人とは違いが生まれてくる。
より高いレベルを目指そうとすれば、
得意に逃げないという意識は、きっと役に立つ。