アクティブ・ラーニング
先生の一方的なレクチャーだけの教育と違い、
生徒たちが能動的に、そして主体的に授業に参加できる学習法や環境などを総称して
アクティブ・ラーニングと呼びます。
能動的に生徒たちが授業に参加することのカギを握るのは
アウトプットができる環境の提供です。
学びはインプットとアウトプットの両方がそろって成り立ちます。
インプットとは、
・言葉を聞いてもらう
・文字を読んでもらう
・映像をみてもらう
・デモンストレーションをみてもらう
などです。
インプットは受動的な状態ですが、
能動的に変化させるにはアウトプットが必要です。
アウトプットには、
・体験学習
・調査学習
・グループディスカッション
・ディベート
・グループワーク
などがあります。
なぜアクティブ・ラーニングが必要なのでしょうか?
社会の変移 記憶から創造へ
狩猟社会から農耕社会を経て、
工業化社会へ。
ここでは人間がしていた仕事を
工場や機械・ロボットがするようになりました。
やがて1970年台の後半になると
情報化社会へ突入します。
何かを情報に変えることで価値が生まれました。
手書きの文書や計算書などが情報化されていった時代。
情報化されることで、場所を超えて情報を共有できるようになりました。
この頃から知識が無料で手に入るようになり始めます。
知識を提供するだけのサービスの終焉がささやかれ始めます。
サービス業は生き残りをかけて、
記憶の提供から付加価値をつける必要が生まれました。
2010年になる前にはブロードバンドの普及が急速的に進み、
インターネットでは動画の閲覧が普通になります。
ますます情報は無料で氾濫するようになり、
情報の提供だけではビジネス的な価値がなくなりました。
人間だからできることは何か。
この時代に求められていることは何か。
多くの仕事は今後もっとロボットやコンピュータなどに
とってかわることになるでしょう。
人は「生み出す」ということができます。
課題を発見したり、
チームをつくってお互いの力を合わせて成果を上げていったり、
教育に求められるものは「記憶」だけではなくなりました。
考える力
学校に求められる期待は高まり、
そのニーズも変化していきます。
考える教育をどう提供するか。
現場の先生への負担は増えていきます。
変革期だからこそなおさらかもしれません。
知識を伝え、記憶したか確認する授業から、
アイデアを考えてもらう授業へ。
ここで力を発揮するのは
【発問】
です。
1.問いかけをし、
2.その答えを一度ノートに書き、
3.書いたことを伝え合う
ノートに書く時間をとることで、
自分だけで問いかけに向かい合う時間をつくるとともに、
話が苦手な子にとっての台本にもなります。
その答えをグループをつくって伝え合うことで、
「そんな視点もあったのか」と
新しい気づきや発見につながります。
かならず自分の答えを伝えることになります。
問いかけをし、
挙手をさせ、
発言した子に対して周りが「同じです」と、
微妙に違うハズに自分の答えに蓋をしてしまう。
この方法はもったいないわけです。
発問の中身と、
答え合う環境づくりで
簡単にアクティブ・ラーニングを実装することができます。
まずは授業のゴールをつくってもらおう
てっとり早く主体的になってもらうには、
ゴールをつくってもらうことです。
授業のテーマや概要を伝え、
「この時間が終わったときに、どんな姿になっていたら”授業受けてよかったな〜”って思うかな?」
・こんなことが分かったら(知識)
・こんなことが聞けたら(情報)
・これができるようになったら(スキル)
・こんな気持になったら(情意、価値観、感情)
何を答えてもらってもOKです。
「今日の授業は何をするんだろう?」という状態から、
「こうなりたい、だからこんな情報がほしい」に変わります。
能動的から主体的に切り替わる問いかけです。
授業の始めや、イベントの始めなど、
何かをスタートさせていくときに、
最初にゴールを意識する発問をするのは
いかがでしょうか。
「今日の質問」
どんなときにゴールを意識してもらいますか?