食べることは、生きること。~ダイエットのための魔法の質問(5)~
おいしいものを食べるのが
大好きな私としては、
好きなものを好きなだけ食べたい、と思います。
こんにちは。
笑顔で世界征服をたくらむ
姿勢と体の専門家、
姿勢科学士の みちのえみこ です。
ダイエットと言えば、
食事制限のイメージがあります。
でも、本当に、
食事を制限しなくては
やせられないのでしょうか?
もし制限するとしたら、
どんなことに気を付けるとよいのでしょうか?
ダイエット最大の極意は
摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やせば、やせる。
だと書きました。
そして、こうも書きました。
摂取カロリーは、単純に「食べるもの」で決まります
理屈では、たしかに、
食事制限をすることは
摂取カロリーを減らすことになり、
やせられます。
だけど、同時に、
人は、食べなければ
生きていけません。
食事は
私たちが生き続けるために必要な
細胞の原料や生命活動のエネルギーの源です。
だから、私たちのお腹は
毎日空くのです。
生きるために。
それでは、
カロリーの摂取、食事をした時に
体にどんなことが起きているのか、
を見ていきましょう。
食欲・消化・吸収のしくみを理解しよう。
食事をはじめると、
まず、糖質の消化・吸収が起こります。
血液中のブドウ糖、グルコースの濃度が、
血糖値、とよばれるものです。
糖は車で言うとガソリンにあたり、
人の活動のエネルギーになりますが、
血中に浮いている状態では使用できません。
体内で作られるホルモン、インスリンの働きによって
糖が血中から細胞に入ることで、
ガソリンとして使えるようになります。
人の体は血糖値を一定に保とうとします。
そして、胃に食べものがはいると、
胃壁が伸びます。
血糖値の上昇と胃の変化に
副交感神経が反応して、満腹中枢を刺激し、
満腹感を起こします。
満腹感により食事をやめる指示が出るのです。
脂質の多い食事は血糖が上がりにくく
満腹感を感じるのが遅くなるため、
たくさんの量を食べてしまいがちになります。
また、日常的に過食が続くと
胃が大きくなり、
満腹の信号が出にくくなります。
食事の後。
さまざまな活動により
体内のエネルギーが消費されると
血糖値が低下し、
体に蓄えていた脂肪を分解して
エネルギーを作り出そうとします。
この脂肪を分解するときにできるのが
遊離脂肪酸です。
遊離脂肪酸が血液中に増えてくると、
この情報が摂食中枢に送られ
空腹感となって、
エネルギーの補給を促します。
勘のいい方は、お気づきと思います。
糖質と脂質。
これが、キーワードです。
糖質と脂質のコントロール
ここで、忘れてはならないのが、
糖質も脂質も、大切な栄養素であることです。
人間の身体になくてはならない栄養素のうち、特に重要なものと位置づけられている「炭水化物・たんぱく質・脂質」を『三大栄養素』と呼んでいます。
三大栄養素に比べ身体に必要とされる量が少ないという違いがありますが、「ビタミン・ミネラル」のふたつを加えたものを『五大栄養素』と呼びます。
人間の体が機能するためには、
これらをバランスよく
摂取することが必要です。
だから、
不足しても、多すぎても、
健康リスクが高くなります。
バランスが大切です。
それを前提に、
糖質と脂質が体内でどうなるのか、
もう少し見ていきます。
先ほど、食事がはじまると
最初に糖質の消化・吸収が起きる、
と書きました。
糖が人の活動のエネルギーになる、とも。
糖質が大切なのは間違いありません。
問題なのは、量です。
糖の濃度が高すぎると体に害になります。
だから、血中の糖の濃度が一定量を越えると、
血糖値が上昇し過ぎないように
インスリンが追加分泌されます。
余った糖はインスリンの働きにより
中性脂肪に変わり、
脂肪細胞内に蓄えられます。
つまり、必要以上に食べた糖分は
みな脂肪に変わってしまうのです。
インスリンには、
すでに体内にある脂肪の代謝を
抑制する働きもあります。
これにより、
体内の脂肪がエネルギーとして
消費されるのを抑え、
脂肪を蓄えやすい状態に変えてしまいます。
糖質の過剰摂取による
インスリンの大量分泌を抑えることに
着目しているのが、
「糖質制限」というものになります。
糖質はとり過ぎると、肥満や生活習慣病をまねくおそれがあります。一方、不足が続くと、体力の低下や疲れやすくなるなど快適な生活の妨げになります。
そして、脂質は、昔から、
ダイエットとなると
最初に制限されることが多い栄養素ですが、
とても重要な働きをしています。
脂質には体の中でつくることができない必須脂肪酸が含まれており、体の細胞膜の成分やホルモンの材料などになっています。不足すると、発育の障害や、皮ふ炎の原因になったりします。
さらに、脂質は油脂に溶ける脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・Kなど)の吸収にも役立っています。
美容面でいうと、お肌の潤いに関わります。
過剰な制限には注意したいものです。
参考:
糖質の多い食品 簡単!栄養andカロリー計算 より「炭水化物」
脂質の多い食品 簡単!栄養andカロリー計算 より「脂質」
摂取量だけでなく、
食べる順番で
コントロールすることもできます。
血糖値の急上昇とインスリンの大量分泌をおさえる食べる順番
1.食物繊維 (サラダ、野菜類)
2.タンパク質 (魚、肉など)
3.炭水化物(糖質)(ご飯、麺、など)
空腹の状態で炭水化物を先に摂取すると、
一気に血糖値が上がってしまうことで
インスリンの大量分泌を促し、
体内の脂肪を増やしてしまうことになりますが、
上記の順番であれば、
血糖値の上昇をゆるやかにすることが可能です。
(参考:やっぱり「食べる順番」は大事だった! 老化スピードを早めてしまう「糖化」を防ぐ食事術)
糖質と脂質は、
現代の私たちの食生活において、
比較的、必要量以上摂取しすぎることが多いから、
「制限」「コントロール」
という考え方が出てくるわけです。
その点がポイントです。
過剰に摂取している分があれば
それをコントロールしよう、
ということであり、
「まったく摂取しない」
「必要量に満たない」
という状態になれば、
体の生命活動継続が困難になる、
ということを覚えておいてください。
以上、長くなりましたが、
食事について考えてきました。
今、あなたの食生活は、
いかがでしょうか。
事実を把握するには、
何か食べる時に、写真を撮ったり、
メモをとって、
自分がいつ何を食べているのかを
記録する方法もあります。
記録してみて、
どんな傾向があるのか、
課題があるとしたら
具体的に何をしたらいいのか、
ちょっと考えてみてもいいと思います。
また、一般的に、
各栄養素の必要量などもありますが、
個々の体質によって、
それが合うとは限らない場合もあります。
私の場合でいうと、
私は炭水化物が大好きで、
毎日、積極的にご飯や麺をたくさん食べます。
一時期、研究を兼ねて実験的に
糖質の摂取量を控えてみたことがあるのですが、
その時、私の体に起こったのは、
体温の低下でした。
低血糖の状態になってしまったのですね。
考えてみると私の家族には
糖尿病の人がいませんので、
基本的に血糖値が上がりにくい体質
なのかもしれません。
好きな食べ物、嫌いな食べ物、
食べたい食べ物、苦手な食べ物、などには、
「体が特にそれを欲している」
「体がそれを拒否している」
というケースもあります。
私は子供の頃からなぜかメロンが
少し苦手でした。
味は嫌いじゃないけど、
特別好きでもない、という感じ。
大人になってから、1度だけ、
少し熟しすぎたメロンを2切れ食べたら
じんまんしんが出たことがあり、
「苦手に感じてたのは、
アレルギーの傾向があるから
ちょっと気を付けておきなさい、
ということなのかも」
と思うようになりました。
そんな自分の好き嫌いの感覚も、
考えてみるのも、いいですね。
そうしたことを念頭において、
食生活を見直してみてください。
繰り返しになりますが、
食事は、
私たちが生き続けるために必要な
細胞の原料や
生命活動のエネルギーの源です。
ご自身の体質や体調、
栄養バランスは、
自分で感じ、自分で考え、
自分で気を付けてください。
それができるのは、
医師でも栄養士でもなくて、
あなた自身でしかないのです。
ダイエットのための魔法の質問 その5
ワークシートもあります♪
http://mahoqsheet.com/sheet.php?sheetid=175
PDFでダウンロードもできますよ。
ダイエットのための魔法の質問