「人生にまったく関係ない」
と思っていたことを
自ら学ぶことになるなんて、
何が起こるかわからないものです。
こんにちは。
笑顔で世界征服をもくろむ
姿勢と体の専門家、
姿勢調整師の
みちのえみこ です。
先日、アメリカの
Western States Universityの
International Diploma in Posture Science、
姿勢科学のディプロマ
を取得しました。
国内の専門学校や大学でも
学んできてはいましたが、
これでようやく、国際的に
姿勢科学という新しい分野を学んだ
研究者の入り口に立った、
と言えるわけです。
姿勢科学、というのは、
ヒトの体を建築物やロボットのような
構造物として見ることで、
体の構造や動きと
体に起こる症状や変化との因果関係を
研究、解明する分野です。
実は、ヒトの体の構造や働きを分解してみる時、
生物とか物理とかが
基本的な知識や理論として
考え方のベースにあります。
いやー。
まさかの。です。
女子高生時代、文系女子の私が、
「私の人生にまったく関係ない」
と言い切って、
成績をあきらめていた、
生物とか物理ですよ。
当時の理系の先生たちが
目をひんむいて
目の前に化けて出てくるくらいの、
珍事です。
(いや、たぶん、生きてますけど。)
姿勢科学を学びはじめた時に、
体の構造について一番最初に学んだ講義。
忘れもしません。
人の体の動きを
テコの原理で分解して見る、
という講義でした。
「テコの原理」って!
いきなり物理の初級編です。
腕の動き、足首の動き、
あらゆる動きの中に、
テコの原理が隠れていました。
し、知らんかった。。。。
「人生にまったく関係ない」
って私が断言するより先に、
もう、体は勝手に
物理を使ってたんだ……。
「生理学」で、
体内のホルモンや栄養素の働きを
知った時も。
「こ、これって、化学じゃん……」
もはや、タイムスリップできるなら、
女子高生時代の
小生意気な自分の頭を
はたきに行きたいくらいに、
衝撃を受けました。
こうやって、
いろいろな衝撃が好奇心に変わるにつれ、
体マニアへの道を歩むことに
なってしまったわけですけど。
こうなってみてからやっと、
義務教育とか高等教育で
学んだ知識の使い道がわかり、
やっぱりあの時ちゃんと
理解しておけば良かったな、と思います。
よく、ものを知った(ふうな)大人が
若い子に言うみたいに。(笑)
あの頃に学んでいる
基礎の知識が、
本当はものの見方や考え方の
土台となるはずだったのに、
あの頃は、
「試験に出るかどうか」
「受験に関係するかどうか」
しか興味がなくて、
苦手な科目を使わないで
先に進む方法しか、
見てませんでした。
理数系の基本的な科目は、
世の中のあらゆることを理解するために、
それを応用していくために
身に付けておく、
「開けたくなったら
どの扉を開くこともできる
無期限のお得なマスターキー」
みたいなものだったんだなあー。
あの瞬間には何の役に立つのかも
わからなかったから、
気付かなかっただけで。
ホントにもったいなかったなと思いますが、
10代でそこまで理解して学ぶのは難しく、
いろんな社会経験を経た今だから、
ようやく、
そうした知識に向き合うことを
「おもしろい!」
と思えるようになったのかもしれません。
以前、「博士の数式」という物語を読んだ時に、
はじめて、
「数字や数式は美しい」
という視点に出会いました。
苦手で大キライだった数学を、
そんなふうに見る人もいる、
ということが新鮮でした。
あれと同じ。
苦手なものがあった時に、
遠ざけたり嫌ったりするのではなくて、
視点を変えて、
「これってなぜ存在するんだろう」
「一体これは何に役立っているんだろう」
「楽しいと思う人はどういうふうに考えているんだろう」
と思いをはせたなら、
もしかしたら
世界は今と違って見えただろうし、
新しい発見に出会えたかもしれなかったのに。
違う視点で見た時、
そこにどんな意味があるんだろう?
そんなふうに
一つのものを
いろんな視点から見てみる。
ものの見方を
大きく広げていくために、
たくさんの視点を得るために、
一生をかけて、
私は何かを学ぶことを
続けているのかもしれません。
別の視点で見たら、
それはどのように見えますか?
何か一つの考えに、
狭い世界に、
とらわれてしまいそうな時。
この質問を
自分に問いかけてみようと思います。
人生に関係のないものなんて、
何一つない。
無駄と思えるものにも、何かある。
今は、そう思います。
photo by daily sunny