気づきの伝道師 藤井一規です。
日本人はほめることが苦手といわれる。
ほめる功罪が少しずつ知られるようになり、
うまく活用することも大切。
今日は、ほめることと感謝を伝えることについて考えていく。
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この記事の目次
「『よくできたね』と褒めるのではなく、『ありがとう、助かったよ』と感謝を伝える。感謝される喜びを体験すれば、自ら進んで貢献を繰り返すだろう」
byアルフレッド・アドラー(オーストリアの精神科医、心理学者)
子どもや、部下に対して、
ほめて育てるという事を聞いたことがあるかもしれない。
しかし、ほめることの弊害もあることも知られるようになった。
では、どのようにしていけばよいのだろうか?
<ほめる>
ほめられたら、基本うれしいもの。
日本人はほめるのは比較的苦手。
もっとほめることをしても良いだろう。
ただし、ほめることで、
対等の立場ではない状態であることを示しているとしたら
問題になってくる。
「よくできたね」「よくやった」は、
上からの立場、目線での言葉がけになっている。
それに、良好な結果が出て初めてほめられることになる。
ということは、結果を出さなければ、
ほめてもらえないという思いを抱いたりする。
<ほめられると>
子どものときは、親からほめられたいから
また繰り返そう、という意識がうまれたりする。
「おとなしくていい子だね」
とほめられたりすると、大人にとっての「いい子」
を演じようとしてしまう傾向を持ってしまったりする。
また、どんな悪いことをしても
叱りもせず、「あなたは悪くない」と伝え、
その子を持ち上げ続けていたら、
思いあがってしまい、
社会に適合しにくい状態になってしまう。
気づかないうちに、妙な方向にリードしてしまっている
ことが多いことに気づいておきたい。
大人であっても、慣れないうちならともかく、
上から目線でほめられてもあまりうれしいものではない。
また、ほめるのは特別なときという印象があり、
「そこまでは期待していなかったんだけど」というメッセージが
含まれてしまうこともある。
<感謝>
言われてうれしい言葉として、もうひとつ、
感謝のことばがある。
誰かから「ありがとう」と言われると、
自己肯定感が生まれ、自分の存在価値を認識することができる。
お手伝いをしてくれた子どもに、
「よくできたね。えらいね」とほめるのと、
「ありがとう、助かった」と感謝するのとでは、
受け取り方が大きく違ってくる。
誰かに貢献できることへの喜びを体験すると、
できることは、またしたいと望むようになる。
また、感謝は対等の意識も生み出してくれる。
<承認と感謝>
だから、むやみにほめるよりは、
相手が大切にしていることを見つけて承認していきたい。
そうすれば、成果としては出ていなくても
存在と価値を認めていることが伝わっていく。
そして、相手が取り組んでいてくれることで
役に立っていること、うれしく思っていることを
自分の感じたメッセージ(アイ・メッセージ)
として感謝を伝えていくと、
より良好な関係になっていきやすい。