気づきの伝道師 藤井一規です。
他人の心の内を完全に知ることはできない。
何を考えているのか、理解できないことも多い。
今日は、相手のことを知ることについて考えていく。
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この記事の目次
「其の以(な)す所を視(み)、其の由(よ)る所を観(み)、其の安んずる所を察すれば、人いずくんぞ隠さんや、人いずくんぞ隠さんや 」
by孔子(中国の思想家 「論語」より)
相手のことをわかりたいと思っても、
完全に知ることはできない。
同じ言葉を語っていても、
その言葉の意味するところは、
あなたと違っていたりする。
相手を理解していくためには、どのようにしていけばよいのだろう?
<見る、視る、観る>
今日の孔子の言葉で、まず気になるところは
「みる」にも種類があるということだ。
「見る」は、ただ単純に目に飛び込んでくる映像を捉えている状態。
特に見ることに意識を向けてはいない。
「視る」は、意識を向けて、しっかり見ようとしている。
見えるものを細部まで捉えようとしている。
「観る」は、「視る」が目で見ることができる、外側だけに集中しているのに対し、
心の中にあるものまで見ようとしている。
<其の以(な)す所を視(み)>
そのひとの行動を
ただ何気なく見るのと、意識を向けて見るのとでは、
入ってくる情報が違ってくる。
よく視ていると、
その行動には意外な特徴があったりするもの。
まずは、事実をしっかり捉えておく必要がある。
<其の由(よ)る所を観(み)>
そうして観察をしていくと、
なぜ、そういう行動をとるのか、
どんなときに、そうするのか、
少しずつ理解できていったりする。
行動の動機となるものがわかってくる。
同じ動機が発生しているときに同じ行動が
繰り返し起きていたり、
同じ行動が起きているときに、
その動機が存在していると推定できれば、
より確かなものになっていく。
<其の安んずる所を察すれば>
そうして、どんなことに満足を覚えるのか
どんなことを避けようとしているのか、
これらを察することができるようになっていく。
<人いずくんぞ隠さんや>
この段階に至れば、その人が、どういう人なのかがわかってくる。
人は、大切にしている、
アイデンティティや、信念・価値観をもとに行動している。
それを理解できれば、
こんなときには、どんなことを感じ、
どんな行動をとる傾向があるかがわかっていく。
さらに、実際に何を大切にしていて、どう考え、どう思っているのかを
直接聞いていくことで、より理解を深めていくことができる。