思春期の子どもの専門家、くればやしです。
「子育てってお金がかかる」
それって、本当ですか?
僕ね、かけるならお金じゃなくて時間だなって思うんです。お金をかけるんじゃなくて、時間をかけてほしい。手間暇をかけてほしいんです。
振り返ればママがいる♪
乳児期の赤ちゃん。
授乳しているとき、お母さんと瞳を合わせて、おっぱいを吸う。
アイコンタクト。
そういう時間が大切なんだそうです。
赤ちゃんはじっとお母さんを見つめている。
例外なく赤ちゃんはお母さんは見つめている。
そして、お母さんも赤ちゃんを見つめている。
そういう時間が大切なんだそうです。
でも、お母さんはスマホの画面を見つめていたとしたら?
親子のつながりって、そういうところから始めると思うのです。
ハイハイするようになると、途端に行動範囲が広がりますね。
危ないこと、するようになりますね。
それで、危ないものは全部取り除いてしまう。
手の届く範囲に何もなくなる。
もしくはベビーゲージなんかで囲んでしまう。
うん、手がかからなくなりますね。
子育てが楽になりますね。
子どもは冒険ができなくなります。
挑戦する機会を失います。
手がかからないようにすると、失うものがあります。
確かにあります。
そういうことに、心を配りたいと思います。
しつもん1 「思わず微笑んでしまう子どもの行動は何ですか?」
挑戦して冒険して、振り返る。
振り返ったとき、お母さんが見ていてくれる。
これ、大事なんだそうです。
ちゃんと見守ってくれる人がいる。
こういうことの繰り返しなんだそうです。
親子のつながりって、そういうところから始めると思うのです。
マーガレット・マーラーという心理学者の方がいらっしゃいました。
ハイハイで、もしくはヨチヨチ歩きで、どんどん活動範囲を広げていく乳児期の子どもたち。
振り返ったときにお母さんがいない。
このことに子どもたちは、とっても強い不安を感じるのだそうです。
マーラーさんはこのときの子どもの感情を次のように表現しました。
『見捨てられ不安』
(abandonment anxiety)
『見捨てられ抑鬱』
(abandonment depression)
自分の行動を、いとおしく思いながらじっと見守ってくれている母親の存在は、赤ちゃんに大きな安心感を与えているようです。
一方で、『見捨てられ不安』という感情が残ったまま成長していけば、どうなるでしょうか。
心に留めておきたいと思います。
しつもん2 「どんなまなざしで子どもたちを見つめますか?」
授業参観に行きづらい…
思春期の子どもたち。
授業参観の日になるとね、こんな会話が飛び交います。
「今日、ウチの親、来るんだぜ〜。もう最悪ーっ!」
「うそ、ウチの親は来ないよ」
「えぇ〜っ!いいなぁ」
ですので、お母さん方からも、こんな質問されるんですね。
「ウチの子が来るなって言うんですよね。行かない方がいいですかね?」
なるほど!なるほど!
でもね、僕は知っています。
授業参観で親が見に来た子の、誇らしげな顔を。
そして、自分の親が来ていない廊下を見つめる悲しげな顔を。
子どもの顔を見ていれば、一目でわかります。
親に見守られる。
ただ、それだけでうれしいのですね、子どもって。
もちろん、言葉では「うれしい」だなんて言いませんよ。
でもね、顔を見たらわかる。
心の底では「うれしい」のですね。
そうやって足を運ぶ時間。
とっても大切だと思います。
しつもん3 「子どもの背中を見守れる場所はどこですか?」
時間を共有する
話は大きく変わります。
遠くへ旅行に行くときのこと。
子どもたちにとって、長距離移動って苦痛です。
子どもたち、ブーブー言いませんか?
自動車の車内ではDVDやテレビを見ることは、もう当たり前になってしまいましたね。
スマホにDSにマンガ本に。
子どもたちも大きくなって、上手に暇をつぶすことができるようになりました。
先日も北海道まで丸2日間の船旅でした。
けっこう暇なんです…。
同じ漫画を一緒になって読む。
同じ映画を一緒になって観る。
同じゲームを一緒になって楽しむ。
そんな時間を過ごしたら、ぐ〜っと距離が縮まったんですね。
時間を共有するのって大切ですね。
しつもん4 「子どもと時間を共有するためにできることは何ですか?」
デジタル機器に育てられた子
でもね、まだ子どもが小さいころ。
どうしたって、手がかかりますよね。
けれど、それがいいんです。
子育てって手間暇をかけるものだと思うんです。
「手塩にかける」なんて言いますよね。
最近は便利な世の中になりましたよ。
手をかけなくても、勝手に子守りをしてくれるんですもの。
この前ね、すごいベビーカーを見つけたんです。
ベビーカーに車載用のアクセサリーでiPhoneつけてね、動画を見せてるの。
幼児期の子かな、実に楽しそう。
最近は、便利な世の中になりましたね。
絵本なんて読んであげなくても、ちゃんと読み上げてくれるんです。
便利なアプリがあるものです。
絵が動いたり、音が鳴ったり。
でもね、考えてみてください。
絵本ってね、言葉が少ないからいいの。
言葉に表されていない部分を、想像力で補うんですよね。
絵は動いていないけれど、子どもの頭の中じゃ動いてるの。
絵は何も奏でないけれど、子どもの頭の中じゃいろんな音が奏でられてるの。
そこがいいんだよ。
そういうことを全部やってくれるんだ。
本当に便利な世の中ですね。
そろそろ、こんな子が小学校に入学してきますね。
デジタルなコンテンツに子育てされた子。
どんな変化が起こるでしょうか。
しつもん5 「あなたにしか「してあげられないこと」は何ですか?」
このブログでお伝えしたいこと
「最近の子どもたちは、昔の子どもたちと比べて変わった」
そんな言葉をよく耳にします。
果たして、本当でしょうか。
僕は、そうは思いません。
子どもたちは変わっていない。
変わったのは、大人が創り出した世界の方であると思うのです。
手間暇を惜しまずにかけられた子。
手間暇をかけてもらえなかった子。
たしかに違います。
いろんな子どもと接してきたからでしょうか。
一目でわかるんですね。
お父さんでもいい。
お母さんでもいい。
おじいちゃんでもおばあちゃんでもいい。
だれだっていいんです、ホントは。
手間暇をかけてもらった時間って、子どもにとってかけがえのない時間だから。
お金はかけなくてもいい。
でもね、時間はかけてあげてください。
手をかけてあげてください。
しつもん6 「子どものためにお金をかけていることは何ですか?」
しつもん7 「子どものために時間をかけていることは何ですか?」
魔法の質問
- 「思わず微笑んでしまう子どもの行動は何ですか?」
- 「どんなまなざしで子どもたちを見つめますか?」
- 「子どもの背中を見守れる場所はどこですか?」
- 「子どもと時間を共有するためにできることは何ですか?」
- 「あなたにしか「してあげられないこと」は何ですか?」
- 「子どものためにお金をかけていることは何ですか?」
- 「子どものために時間をかけていることは何ですか?」