理想の体になるための革命の起こし方。~ダイエットのための魔法の質問(7)~
ダイエットについて考えるのも
残り2回となりました。
いよいよクライマックス!
こんにちは。
笑顔で世界征服をもくろむ
姿勢と体の専門家、
姿勢科学士の みちのえみこ です。
連載も長くなってきましたが、
大丈夫ですか? 笑
今、これを読んでくれてる方は、
きっと「本気でやせる」と決めた方、ですね。
今回と最終回とで、
「本気でやせる」ための行動を、
考えていきます。
ダイエットで理想の体になるための5つの条件
1.自分がなりたい理想の状態を明確にする
2.体の現状を正しく把握する
3.体のしくみに合った方法を選ぶ
4.現状が理想に結びつくために効果のある方法を選ぶ
5.無理せず実行できる、継続できる方法を選ぶ
これの、
「4」と「5」
に関わるところです。
ここまで、自分の体について、
理想を考え、現実を知り、
身体のしくみを
知ってきました。
ここで、ダイエットをする人にとって
最大の恐怖でもある
「リバウンド」について、
知っておくことにしましょう。
「リバウンド」はなぜ起こるのか?
生物には「恒常性」、
ホメオスタシス、という性質があります。
体の中の環境を、常に一定の状態に
保とうとする働きのことです。
生命を維持するためには、
体の中が心地よい状態、
最適な環境、最適なバランスで
安定していることが
一番いいわけです。
体温とか血圧とか
体液の浸透圧やpHとか。
そういう数値には、
その人の平均値があります。
だいたい平均値あたりに安定しているのが、
その人の体の細胞が
安心して働いている状態です。
体って、実はかなり、
保守的で、臆病で、面倒くさがりです。
変化を嫌います。
何かの刺激で
驚かされたり、
変化を強いられることが、
とても苦手です。
体を刺激してくるもの、
変化を求めてくるもの、
のことを「ストレッサ―」といい、
ストレッサ―や、
それに対して体が元に戻ろうとして
起こす反応などのことを
「ストレス」というわけです。
私の中ではこんなイメージ。
鎖国している日本に、
見たこともない黒船がやってきた。
追い払おうとしたり、
内乱が起きたり。
大騒ぎ。大混乱。
そして、一山越えて
落ち着いてみたら、
何事もなかったかのように、
次の時代に進んでいく。
……という感じのことが、
体にも起こるわけです。
ダイエット、というのも、
体に起こす変化の一つです。
革命です。
体重を、
骨格、筋肉、体液、脂肪の量など、
その人の体を構成するものの重量や比率、
としてみると、
その人の体が安定している状態として、
その平均値の状態を脳が目安にしている、
ともいわれます。
それが「セットポイント」と呼ばれる考え方です。
ホルモンの分泌とか、
腸内細菌とか、
血液中の酸とアルカリの比率とか、
体はナマモノですから、
私たちが思う以上にデリケートで、
24時間365日、常に厳重な監視体制にあります。
何かあれば生死に関わりますから、
それはもう、口やかましい警備兵が
その辺の警備会社には
とても太刀打ちできないほど
厳しく体を見守っています。
年頃の娘に変な虫がつかないように
めっちゃ厳しいパパが
家で待ち構えているくらいに
厳しいです。
急激なダイエットを実行して
体重が激減すると、
体中がビックリ仰天します。
「急激なエネルギー不足がやってきた!」
「緊急備蓄エネルギーとして蓄えていた
脂肪が使われた!」
となると、
まさに
「生命の危機!」
「このままじゃ死んじゃう!」
「なんでこうなった!」
「これからどうなる!」
と思います。
大パニックです。
しばらく水に潜って
限界まで息を止めたあと、
水上に上がった瞬間って、
一生懸命に息を吸い込みますよね。
急に食べる量を減らしたり
食べなくなったりすると、
強烈な「空腹感」に襲われたり
食べ物のことしか
考えられない状態になるのは、
それと同じことです。
だから、急なダイエットや
無理なダイエットをすると、
いつの間にか体重が戻って元通り、
ということになります。
体は、急な変化が大嫌いなのです。
楽したいのです。
いつもどおりでありたいのです。
これが、リバウンドの正体です。
……という体の特性を理解した上で。
「じゃあ、どうやって
ダイエットをしたらいいの?」
というと。
ちょっとずつ、ちょっとずつ、
計画的に、こっそり進めて、
脳や体をだますのです。
ペリーの黒船のようなショック療法じゃなくて、
「ショーシャンクの空に」とか
「大脱走」のように、
24時間体制で監視されている状態から
脱走するように、
見張りに見つからないように
気づかれないように、
ちょっとずつこつこつ
コトを進める。
まどろっこしくも見えるし、
遠回りのように思えますが、
これが、一番確実で、一番最短の方法です。
運動のコツとゴールデンタイム
そうそう。ここまで、運動について、
あまり書いてきませんでした。
(私が食べることが好きで
運動が苦手だということが
これでよくわかりますね。すみません。)
ここで補足しておきます。
前回、エネルギー消費には、
「基礎代謝」
「生活活動代謝」
「食事誘導性熱代謝」
の3種類があること、
運動など体を動かすことは
「生活活動代謝」にあたること、
を書きました。
ようするに、
「体を動かすこと」であればいいので、
気合を入れて
「ジムにいくぞ」とか、
「ジョギングするぞ」とか、
「ウォーキングするぞ」とか、
をしてもいいですが、
そうじゃなくても構いません。
「階段の上り下り」や
「駅までの徒歩」、
そんなことでもいいのです。
たとえば、
消費カロリーの量を
今よりちょっと増やすために、
今までエレベーターや
エスカレーターを使っていたのを
階段を使うようにする、とか、
坂道の上りなど、少し傾斜がきつい道を
あえて選んで歩いて負荷をかける、とか、
いつもより早歩きをして、
体に負荷をかける、とか、
雑巾をつかった掃除で体を使う、とか、
でもよいのです。
そして、そして。
運動で消費カロリーを上げよう、
という方に、朗報!
食後30分から2時間の間にかけてが、
運動を行うのに絶好のタイミングです。
食事をとると血糖値が上昇すること、
血中の糖の濃度が一定量を越えると
インスリンが追加分泌されること、
余った糖はインスリンによって
中性脂肪となって脂肪細胞内に蓄えられること、
インスリンには体内にある脂肪の代謝を
抑制する働きがあること、
はすでに書きました。
つまり、血糖値が上がるタイミングで
運動をすることで、
それ以上血糖値が上がらないようにすること、
インスリンが追加分泌されないようにすること、
それによって、
体内の脂肪の蓄積を防ぎ、
今ある脂肪を燃やすことを促進できる、
ということです。
運動でやせたい方は、
「食後30分~2時間」の
ゴールデンタイムを生かすべし!
ですね。
運動については、
かえって体型の崩れに
つながることもあるので、
自分の理想の体に近づける方法を
選ぶこともポイントになります。
他でそのことを書いたものがあるので、
参考にしてください。
なりたい体になるために
前回までに、
「どんな体になりたいか」を考え、
「体の現状」について、知りました。
それを元に、あなたが
「なりたい体になるために、
今必要なのはどんなことなのか」
体のしくみを踏まえて
自分が続けられる、無理のない方法を
考えてみましょう。
これは、一人一人、違います。
「食べることが好き」で
「運動することは苦手」な人なら、
好きなものの食べ方や、
糖質と脂質のコントロールをどうするか、
運動以外で消費カロリーを上げるには
どうしたらいいのか、を考える。
「運動することが好き」な人なら、
消費カロリーを増やすための運動の方法や
タイミングを考える。
……など、いろんな方法があります。
「無理せず実行できる」
「継続できる」
しかも、
「体に気づかれないように、そっと」
が、ダイエットに成功し、
リバウンドしない方法。
「これ、私は無理だなー」
って一瞬でも思ったものは、
きっとやらないでしょう。
「これならできるかも」
と思えたものを選ぶ方が、
実行して継続できる確率が高い。
毎日ちょっとずつ、を続ける。
習慣化する。
そして、体を上手にだます。
いきなり駆け寄って
「わっ」
と大きな声を上げたら
防衛反応が出てしまうけど、
そーっとゆっくり速度を合わせて
いつの間にかそばにいた、
という感じで近づけたら、
「なーんだ、大丈夫じゃん」
と、体も安心するわけです。
体に友好的にできる、
あなたなりのやり方、
見つけてみてください。
ダイエットのための魔法の質問 その7
ワークシートもあります♪
http://mahoqsheet.com/sheet.php?sheetid=175
PDFでダウンロードもできますよ。
ダイエットのための魔法の質問