今は生き方をある程度自分で選び、
コントロールできるようになりました。
だからこそお話しできることですが、
過去には、月間400時間程度の労働をしていた
時期がありました。
400時間の労働とは、1日13時間を30日やれば
誰でも到達できますし、もしかしたらその時の同僚は
未だにそのような環境で仕事をしているかもしれません。
「人生の使い方、間違ってない?」
僕はその時、東北のある町で日本一の車を製造する
メーカーで、派遣社員の労務管理をやってました。
労務管理といえば事務職で、オフィスでPCに向かって
仕事をしているイメージかもしれませんが、
実際は事務的な仕事プラス派遣社員が休んだ工程に
入って車の製造をするということもやってました。
2交代制のシフトなので、事務作業が終わった後
夜勤に入る。その後ちょっと仮眠してまた朝から
事務作業・・・ ということもしばしばでした。
もちろん、昼勤務の製造スタッフが休んだ時は、
夜に事務作業です。
そんな日々の中、たまたま まる1日空白ができ、
東北でも有数の温泉地に近いところに住んでいたので、
秘湯と言われる大好きな温泉に行った時に出会った
外国人に言われた言葉が上の言葉、
「人生の使い方、間違ってない?」でした。
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お湯に浸かりながら、ぼーっと風に揺れる木や葉っぱを
眺め、その隙間から漏れる太陽のキラキラした光が
時々眩しくて目を閉じたりしながら・・・
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そろそろ出ようか・・・
そう思っていた時に話しかけてきたのが、
初老のフランス人でした。
日本人は、お湯に浸かりながら、
瞑想をするのか?
たどたどしい日本語で、
たしか、そんなことを聞かれた気がします。
お湯に浸かりながら目を閉じると、
落ち着くんだよ、日本人は。
というような言葉を返した後、
仕事の話になりました。
その中で、月間400時間ほど仕事をしている。
1ヶ月ぶりのまる1日の休日だ。
ということを話すと、ひとこと。
「クレイジーだ、人生の使い方、
間違っていないか?」
人生の使い方・・・?
こんな素晴らしい場所や景色を楽しめる
日本に住んでいながら、君は人生の使い方を
間違っているように思う。と・・・
その言葉に僕は、何も言えなくなりました。
と同時に、
なんのために仕事をしているのだろう
なんのために生まれてきたのだろう
人生ってなんだろう
そんな風な質問を、自分に投げかけていることに
気がつきました。
月間400時間の労働のなかのたった1日の空白。
今から思えばその苛酷な状況は、
僕の人生観を根底から覆すヒントとなる言葉に
出合わせるための、仕組まれたワナだったのかも。
今ではそんな風に思っています。
温泉からの帰り道、
僕は自分と仕事のあり方を、
人生の歩み方を根本的に変えることを決めました。
会いたい人に好きな人に会いに行ける
見たい景色を見たい時に見に行ける
歩みたい人生を自分で選択することができる
そんな生き方を目指すと決めました。
もしもう一度あのフランス人に出会ったら、
「あなたのひとことで、人生が変わりました。」と
笑顔で言いたいと思っています。
「あなたは今、自分の人生をどのように使っていますか?」
このしつもんの答えが、もしかしたらこれからの未来を
大きく変えるきっかけとなるかもしれません。