気づきの伝道師 藤井一規です。
こころを惹きつけるもののひとつに、「ほのめかす」というものがある。
気づかないでいると、そのまま通り過ぎていったりしてしまうが、
気づくと、どんどん惹きこまれていく。
今日は、ほのめかすことについて考えていく。
<ブログ>
http://shitsumon-alacarte.com/mental/10616/
この記事の目次
「見せびらかすのではなくて、ほのめかすといふこと、これが、無限なるものの秘訣なのだ」
by 岡倉天心(思想家、哲学者)
ほら、すごいだろうと見せびらかされると、
嫌味な感じがしたりするが、ほめのかれるとかえって興味を惹きつけられたりする。
ほのめかすことについて、もうすこし突っ込んでみたい。
<ほのめかす効果>
ほのめかす、というと何を思い浮かべるだろうか?
恋のかけひきで、その気があるかのようなことを言ったり、したりというのもあるかもしれない。
映画や小説では、結果を予感させるものをあちこちに織り交ぜていたりする。
エロスを描くのにも、そのものズバリよりも、チラッとみえたりするのが良かったりする。
フェルメールの絵が人気のある理由の一つには、ほのめかしによる効果があると言われる。
人は、想像力を掻き立てられると、
ただありのままを体験しているとき以上に惹き付けられたりする。
小説家の谷崎潤一郎は、表現のコツは、はっきり言うことではなく、ぼやかして言うことだと語っている。
<相手を知る>
ほのめかしに反応するか、しないかで、
その人の興味対象や、知識レベルがわかったりする。
もちろん、必ずではないけれど、
ほのめかしに反応するってことは、
それが、何を意味するのかを知っているということであり、
その人にとって、ポジティブであれ、ネガティブであれ、
意味のあることだということだ。
あからさまに質問したりしなくても、
相手のことをある程度知ることができたりする。
<想像のチカラ>
そして、現実はそのままで、それ以上でもそれ以下でもないけれど、
想像の世界は現実の何倍も、さらに無限の可能性を持っている。
映画やテレビ番組の宣伝にしても、
全てを語らず、視聴者の興味と想像力を引き出すところで止めていたりする。
そのほうが、見たいという意欲を湧き起こす。
また、ちょっとしたヒントを与えることで、
相手の興味を引き出したり、やる気の源に結び付けていくことができる。
ほのめかすことは、気づきのヒントになることであり、やる気を引き出すのに有効な手段となる。