気づきの伝道師 藤井一規です。
心がひどく傷ついてしまっても、
時間が経つと立ち直ることができたりするので、
時間には、心の傷を癒す偉大なチカラがあるといわれたりします。
それは本当なのでしょうか?
今日は心の傷を癒すことについて考えていきます。
<ブログリンク>
http://shitsumon-alacarte.com/mental/12436/
この記事の目次
「時は偉大な医者である」
by ベンジャミン・ディズレーリ(英国の政治家、小説家)
時間は心の傷を癒すのか?
それとも、もっと別の方法が良いのだろうか?
この言葉をきっかけに、心の傷を癒すことについて、
しばらく考えていきたい。
<時間は心の傷を癒すと言う説>
時間が心の傷を癒すと、よく言われるが、
本当にそうだろうか?
確かに、時間が経過していくことによって、
他の楽しい経験、うれしい経験をすることもできる。
すると、心が傷ついてしまった、強烈な体験だけを意識する状態からは
離れることができるかもしれない。
その後にいろいろな体験をすることで、「これしかない!」
と思い込んでいた状態から変化することができるかもしれない。
などの効果は確かにある。
しかし、それを時間が心の傷を癒したと言えるのだろうか?
<時間の経過が許可することはある>
自分にとって大切な何かや、誰かを失ってしまうと、
悲しみや喪失感を抱いたりする。
大切な誰かが亡くなったり、失うことになったとしたとき、
もし、あまりにも早く立ち直ってしまったとすると、
なんだか罪悪感を抱いたりすることがある。
その人の大切さの度合いが高ければ、高いほど、
その悲しみに囚われる時間も長くなるのではないかと、
無意識のうちに考えていたりするからだ。
自分に対して、そろそろ立ち直ってもいいと、
時間の経過を考えて許可するという場合が考えられる。
<時間は癒さないという説>
心の傷を負って、普段は意識しなくなるまでになったとする。
ところが、何かのきっかけで、その時のことを鮮やかに思い出したりすることがある。
表向きは傷が癒えたように見えても、
実は傷はずっと残り続けていたりするというわけだ。
もし、事あるごとに思い返していたりするとすれば、
繰り返す分だけ、傷はより深くなっているかもしれない。
時間は必ずしも心の傷を癒してはくれないのではないか?
<共感の場>
辛かったり、喪失したりした人たちの心の癒し、
心の傷のケアとして、注目を集めている方法がある。
東日本大震災、熊本地震をはじめとする被災者たち。
いじめなどの辛い体験をした子どもたち。
最近では、最愛のパートナーを亡くして、
引きこもりになってしまった高齢者たちへの効果が話題になっていた。
それは、同じ体験をした人たちの集まりに参加して、体験を共有することだ。
自分の思いの丈を吐き出し、仲間の思いを聴いていく。
こうした共感の場を持つことが、心の癒しになるというものだ。
<立ち直らせるものは>
そこには、安心・安全があり、自分をさらけだすことができ、
お互いを承認しあうことができる。
自分はひとりではないし、自分の存在を、価値を認めることができる機会。
こうした共感の場に通っているうちに、次第に立ち直っていくという。
私たちは何か問題があるとなれば、直接その問題をなんとかしようとしがち。
しかし、その必要はなかったりするのだ。