気づきの伝道師 藤井一規です。
人は、自分の主観的な体験から作り上げてきた、
自分なりの判断基準でもって、出来事を捉えています。
しかし、自分にとっては当たり前のことなので、
それが自分だけのものだということに気づかずにいたりします。
今日は、認知の違いと、それをどのように活かしていけばよいかについて考えていきます。
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この記事の目次
「ピンク色のレンズのメガネをかけている人は、世界がピンク色だと勘違いをしている。自分がメガネをかけていることに気づいていないのだ」
by アルフレッド・アドラー(オーストリアの精神科医、心理学者)
このひとは、どうして何もかもを悲観的に捉えるのだろう? と思える人もいる。
反対に、とても楽観的な人もいる。
同じ出来事を体験しているはずなのに、そこから学んだことは? と聞かれたら、
全く同じ答えをするひとはまずいない。
今日は人による認知の違いと、どのように活かしていけばよいかについて考えていく。
<認知バイアス>
世界がピンク色に見えたとしたら、それは、何を意味しているだろうか?
通常は「世界がピンク色だから」と捉える。
しかし、「ピンク色のレンズの眼鏡を通して見ているから」という可能性もある。
もし、自分がピンクレンズの眼鏡をかけていても、
そのことに気づいていなかったら前者の答えになる。
誰しも、自分にとってより意味のあることに注目し、
自分なりの傾向に基づいて物事を捉えている。
これを認知バイアスと言う。
誰しも自分なりの認知バイアスを通してしか、
事実を捉えることはできない。
<認知の違い>
あなたはさほど親しくもない人が、
あなたを特別扱いしてくれた人がとしたら、どう捉えるだろうか?
例えば、
1.「私に好意があるのかもしれない」
2.「何か下心があるかもしれない」
3.「伝えてくれた理由どおりだろう」
4.「特別扱いなんて却って迷惑だ」
・・・
捉え方は、これまでの人生においての、経験や印象に残っていることから
培ってきたもので違いが生まれてくる。
そこには、人生における信念や価値観がある。
自己評価が高ければ、1.と捉えやすいかもしれない。
過去の嫌な経験から、2.と捉えるかもしれない。
なにも考えず素直に、3.と捉えるかもしれない。
お返しするのも大変だと、4.と捉えるかもしれない。
まだまだ他にも捉え方があるだろうし、同時に複数の捉え方をするかもしれない。
自分にとっては真実なのだけれども、事実とは限らないのだ。
名探偵コナンは、「真実はひとつ!」と言うけれども、
「事実はひとつだけれど、真実は人の数だけある!」なのだ。
人はどの出来事に対しても、自分なりの信念価値観に基づいた、
自分なりの受け留め方をしている。
<認知の違いの存在を知って>
人を大切にしようとするときは、相手は全く違う認知をしている
という前提を持っておいた方が良い。
自分にはどうでもよいことであっても、相手にとってはとても大切にしているものかもしれない。
あなたが大事にしているものを、ないがしろにする人を許すことができないように、
その人の大切にしている信念や価値観を、大事に扱う必要があるからだ。
相手が何を大切にしているかに焦点を当て、
自分の先入観を取り外して向き合っていきたい。
すると、相手は理解してもらえたと感じ、心を開いていくことができる。
あなたも、全く新しい世界があることに気づくことができる。