気づきの伝道師 藤井一規です。
戦いとなれば、勝とうとするでしょう。
しかし、戦いに勝利することが、真の勝利ではなかったりします。
どういうことなのか、しばらく考えていきます。
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この記事の目次
「平和にも勝利がある。戦いの勝利に劣らぬ名だたる勝利が」
by ジョン・ミルトン(英の詩人、共和派の運動家)
戦いで勝利することもいいが、
戦いを避けることで得られる勝利がある。
戦えば、嫌でも失われてしまうものがあるからだ。
もうしばらく掘り下げていく。
<戦いの勝利>
勝ったほうが領地を獲得し、繁栄し、
負けほうが失って、消滅したり、没落していく。
歴史には、そうした事実がたくさんある。
戦いとなれば、勝者が多くを得、敗者が失うことになる。
だから、戦いとなれば勝とうとするのは、
自然な流れだ。
負けることには恐怖を伴いがちであり、
ときには勝つために手段を選ばないなんてことも起きる。
<戦いで失うもの>
たとえ戦いに勝利しても、
戦うことそのもので失われるものもある。
戦争であれば、勝利する側といえど、
死傷者が出ることは避けられない。
武器の性能が上がっている現代であれば、
その数は莫大なものになったりする。
戦うためには、準備からはじまって、戦いに使用されるもの
戦いを継続していくための費用が掛かる。
負ける側はもちろん、勝つ側も消耗してしまう。
また、勝つために、非難されるような手段を使ったことが明らかになれば、
後々の信用を失うことになったりもする。
<戦いの裏に>
ジョン・ミルトンのこの言葉は、
イギリスのクロムウェル卿と英王室との戦いを阻止しようとした際のものだ。
オランダやスペインが虎視眈々とイギリスを狙っている中で、
内戦を起こすのは得策ではないと訴えている。
日本でも江戸時代末、幕府が江戸城を明け渡す前に、
フランスが幕府側を支援しようという動きがあった。
フランスが本気で幕府側に武器支援すれば、
薩長側に勝利する可能性は十分あった。
薩長連合側にはイギリスが付いており、
戦えば、どちらが勝っても国内は弱体化し、
その後、イギリスか、フランスが影響力を増し、
政治介入してくることは間違いなかった。
日本はイギリスかフランスの属国になっていたかもしれない。
<Win-Lose, Win-Win>
どちらか一方が多くを得て、一方が全てを失う。
戦えば、そういう方向に向かいがち。
しかし、それ以外の選択もある。
うまく協力し合うことができれば、
仲間として共に活動することもできる。
もちろん、争わない平和だけが全てでもない。
競争することで得られることもたくさんある。
ただ、勝ちさえすればいい、
という考えにとりつかれてしまうと、
より大きなものを失ったりする。
戦いに勝つだけが勝利ではなく、
平和にも勝利があるし、本当に得たいものを得ることが真の勝利。
ということを意識しておきたい。