気づきの伝道師 藤井一規です。
有言実行という言葉は、もともとあった不言実行という言葉の対比から
最近定着したものなのだそうです。
どんな違いがあるのか、
しばらく考えていきます。
<ブログリンク>
http://shitsumon-alacarte.com/mental/17190/
この記事の目次
「人の思いは、言葉に変わることで無駄にされているように、私には思えるのです。それらは皆、結果をもたらす行動に変わるべきものなのです」
by フローレンス・ナイチンゲール(英国の看護師、統計学者、看護教育学者)
言葉にすることで、思いに無駄が生まれているというナイチンゲール。
もうしばらく掘り下げていく。
<どちらがカッコいい?>
有言実行と不言実行。
先に高い目標を言葉にしておいて、実際に達成させてしまう有言実行と
言葉にはしないまま、実践を続けていく不言実行。
どちらがカッコいいか?
という調査をしたら、
どうも有言実行のほうが人気のよう。
予め宣言している分、達成したかどうかが周りにもわかりやすい。
確かに不言実行だと、目標を達成したのかどうかわかりにくい。
カッコいい!って評価するタイミングも、
わかりにくいと言えるだろう。
有言実行であれば、不可能そうに思えるものであればあるほど、
達成すれば、おお!あの人スゴイ!ってことになりやすい。
<有言実行のメリット>
有言実行は、予め宣言するので、
周りからの目を意識することにもなる。
達成しようとする気持ちを、自分の内部からだけでなく、
周りからの視線を意識することで、喚起する効果がある。
自分の気持ちがくじけそうになったとき、
宣言したという事実が、背中を押してくれたりする。
また、あなたが実行しようとすることが明白となるので、
周りがサポートしやすくなる。
協力したいと思ってくださった人が、
どんな情報を提供すればよいか、わかりやすくなる。
<デメリットも>
しかし、周りからの目を意識することは、デメリットにもなりうる。
ときにスタンドプレーに走ってしまい、本質から外れてしまう危険性もある。
また、うまくいっているうちはいいが、
うまくいきそうになくなったとき、言い訳となる理由を探し始めてしまう。
言い訳のために、心を奪われたり、何かをし始めたりする。
周りからのネガティブな視線を意識することは、
自分らしくいることを妨げるもとになりやすい。
それに、実行するぞって口にはしたものの、
結局実践できないままになってしまうって経験、
ほとんどの人はしているのではないだろうか。
そんなうまくいかないケースを積み上げてしまっていると、
自信を失ってしまったりしかねない。
<実践の人>
真剣に口にする言葉には、その人の思いが込められている。
ナイチンゲールは、思いを言葉として発すると、
思いのエネルギーが言葉を発するために変換されてしまい、
無駄に消費されてしまっていることがある。
と言っているのではないか。
言葉にして、広く発信したことで、満足してしまったり、
エネルギーを浪費してしまっていることがあるのではないかと。
生活していると、
その場しのぎで言葉だけ語って、肝心の
実践の思いに欠けている人に出会ったりもする。
真剣に言う言葉には、その人の思いが込められている。
たしかに、思いを明確な言葉にしておくことは重要。
言葉にすることで、自分の中に形が生まれやすくなる。
実現していく思いを強くできるように、
実践のエネルギーを強くすることができるように
言葉を活用していきたい。
<不言実行がわかる人に>
もちろん、有意義な有言実行は素晴らしい。
加えて、不言実行している人に気づけるようになっていきたい。
私たちは、目立つ人、目立つことの方に関心を寄せがちだけれど、
真摯に、着実に実践している人に気づき、
その人の思いに気づき、大切にしていくことができる人に
なっていきたい。