気づきの伝道師 藤井一規です。
しばらく考えていきます。
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この記事の目次
「忘れるのは、忘れたいからである」
by ジークムント・フロイト(オーストリアの精神医学者、精神分析学者、精神科医)
覚えておきたいのに、思い出せない。
そんな経験をしている人も多い。
それなのに、忘れたいから忘れるだなんて!
そう思った人もいるかもしれない。
どういうことなのか、
もう少し掘り下げていく。
<記憶の仕組み>
覚えておこうと決めていたのに、覚えられない。。。
思い出したいのに思い出せない。。。
あの人誰だっけ???
あんなに印象深かったのに! 顔だけは覚えているのに!
そんな思い出せない経験をすることがある。
脳科学の面からすると、
一つ目は、記憶は時とともに色が褪せるように、薄まっていくそう。
どんなに強烈な出来事でも、時とともに、薄れていってしまう。
二つ目は、同じような記憶、どこかに共通点がある記憶が干渉して、
どうつながっていたかがわからなくなる。
三つ目は、強い興奮や刺激で、記憶が失われたり、道筋が壊れてしまう。
以上のことが起きていると言われる。
実際に記憶が失われてしまっていることもあるが、
何かのきっかけで、思い出すことができたりすることもあるわけだ。
小学校の時の記憶が、
実際にその小学校に行ったり、当時の友達に会ったりすると、
思い出されたりするような経験は、誰しもあるかもしれない。
記憶にたどり着くルートのどこか1か所にでも、
引っ掛かりができると思い出しにくくなるからだ。
<忘れることの良い効果>
考えてみると、忘れることは悪いことばかりではない。
今、起きていることを詳細に覚えておくのもいいけれど、
今、五感から入ってきている情報の99.99%は二度と使われない。
脳の記憶のスペースには限りもあるし、脳の活動には
大きなエネルギーも必要になる。
無意識のうちに、できれば無駄なことに脳を使いたくなくて、
できるだけ、休ませる方を選択してしまう。
また、例えば同じショッピングセンターに行って、駐車場に車を止めるにしても、
毎回場所が違うはず。
今までの場所をすべて覚えていようとすると、混乱が起きかねない。
忘れることで、新たなことが際立って、生活が円滑になる。
こうした適応性、柔軟性をもたらしてくれる。
それに、嫌な経験はできれば忘れてしまいたいもの。
忘れていることで、平穏に過ごすことができたりするのだ。
<忘れることは悪くない>
忘れることは、悪いことではない。
意思としては覚えておきたくても、
何らかの理由で記憶にたどり着くルートが乱れると思い出せない。
それは、あなたが悪いわけではないってことだ。
記憶から消していく機能も、生きていくうえでは大切な機能だ。
その機能が望まない動作をしてしまうことがあるというだけだ。
どうやら記憶は薄れ、忘れる可能性があることを意識して、
覚えておきたいことを強化し続けることは、
習慣にしていったほうが良さそうだ。