気づきの伝道師 藤井一規です。
ボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したことは多くの驚きをもって迎えられました。
彼の曲において、その詩が文学的価値があると
改めて広く認知される機会になりました。
しばらく掘り下げていきます。
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「風向きを知るのに天気予報官はいらない」
by ボブ・ディラン(米のミュージシャン)
実は私も、彼がノーベル文学賞受賞と聞いて、ちょっとびっくりしてしまった一人だ。
ボブ・ディランの詩の素晴らしさを理解するのに、
日本語訳だけを見ていてはわかりにくい。
英語詩ならではの表現方法に大きな意味があるからだ。
そして、この一節は当時の若者文化を代表するまでになった。
そう、大人からも若者からも受け入れられたのだ。
なぜそれだけ人々の心をつかんだのか、
もうしばらく、掘り下げていく。
<ボブ・ディランの詩>
ボブ・ディランの曲作りの上で、言葉選び、言葉の遣い方は
ものすごく重要視されている。
ノーベル文学賞受賞についてのインタビューのなかでも、
彼は自分の詩が文学に当たるという意識を持っていたことが示されていた。
「『自分の歌は文学だろうか』と自問したことは一度もありません。
スウエーデン・アカデミーがその問にすばらしい答えを出してくれた」
言葉を集め、推敲に推敲を重ねてつくられていったという。
きょうの言葉は
You don’t need a weather man to know which way the wind blows.
大げさに公式な気象予報官を連れてこなくたって、
風向きを知ることくらい誰にでもできる。
でもいまの世の中は。。。
若者の空気を見事につかみ、
当時の若者文化のスローガンにまでなった。
<影響力>
文学性でいうと、
古くから語り継がれて来た民衆詩の引用をしたり、
聖書や言い伝えなどの言葉を歌詞に挟んだり
又一定のルールのなかで韻を踏んでいだり、
といった、従来を方法をしっかり踏まえつつ、
ラップにつながっていく速射砲のような小気味よさ、
抽象画のように、意味や文脈とは関係なくつながれた言葉が
聴く者の心に印象付けられていく。
当時の社会の空気を巧みに取り込み、
形にこだわる過去の権威にすがっている矛盾に気づいていた
若者たちのこころに、そうだ!そうだ!
という思いを起こさせたのだ。
<権威からの自由>
いまでこそ気象予報士は一般の人でも取れる資格になったが、
ほんの一握りの人のものだった。
多くの人たちは、権威をつけたがるし、
権威を有難がる傾向にある。
彼は、ちょっとしたことにも権威付けがなされたりする社会に
鋭く切り込んでいった。
他にも、諸行無常を表したものなど、多くの作品がある。
ときには、彼の歌を詩だと考えて、
綴られた言葉をじっくり眺めながら、
聴いてみるのもいいかもしれない。