気づきの伝道師 藤井一規です。
今の岡山県高梁市あたりとなる
備中松山藩の、現在の貨幣価値で300億円もの赤字財政を
たった8年で、300億円の余剰金を生み出すまでに立て直したと言われる、
山田方谷(ほうこく)の考え方に学んでみたい。
今日は、視点のもっていき方について考える。
<ブログ>
http://shitsumon-alacarte.com/mental/8177/
この記事の目次
「それ善く天下の事を制する者は、事の外に立ちて事の内に屈せず」
by山田方谷(儒家、陽明学者)
意訳すれば、
天下の一大事を何とかしようと思えば、
目の前のことに囚われずに、外からの視点が必要である。
ということ。
<対症療法>
何か問題が起きたとき、
何種類かの対応方法がある。
例えば、熱がでてきたから、
氷枕で冷やす。解熱剤を飲む。
痛みがあるから、湿布をしたり、鎮痛剤を使う。
といった、現れてきた症状に対して、
対抗策を取る可能性がある。
これは対症療法と呼ばれるもの。
原因はわからなくても、
とりあえず症状を抑えることで、
楽になることができる。
特に緊急事態のときには、有効な手段となる。
この方法で、症状を抑えているうちに、自分の免疫力や、回復力によって、
また原因を突き止めて、対策を打って、立ち直ることができたりする。
<原因療法>
これに対して、症状が起きている原因を突き止めて、
その原因に対してアプローチするのが、原因療法となる。
対症療法は、あくまで症状に対してのものなので、
表面的な対策に終わりがち。
効果も一過性に留まりがち。
だから、症状の原因を見つけ、
それを取り除こうとするのが、原因療法のアプローチ。
ただ、原因を突き止めるのには時間がかかることも多く、
またいくら時間をかけても結局不明確なこともありうる。
<ポジションを変える>
対症療法、原因療法という考え方のほかに、
視点の持ち方を変えるというアプローチの方法がある。
当事者の視点からと、第三者など、外からの視点からというもの。
例えば、赤字になったとて、その対策を考えてみる。
まず、すぐに思いつくのは、
出費を抑えることだ。
無駄遣いをやめて、質素倹約をするというのは、
それなりに効果があるし、必要な対策になる。
こうした、当事者視点の考え方も役に立つ。
しかしながら、300億円の借金を抱えているとしたら・・・
冷静に、第三者の視点で考えてみれば、
ただ出費を抑えるだけでは、
借金を無くすことはとても難しい。
おそらく利息だけで、節約分が吹き飛んでしまうだろう。
<目先のことに屈しない>
問題があると、どうしても、即、効果のあることばかりに
目が向いてしまいがち。
しかし、取り組むべき課題が大きければ大きいほど、
冷静に外から、事実を捉えて、
大胆な改革が必要になる。
ときには、そのためにさらにお金をかけて、
収益の基をつくりあげる必要があったりする。
大胆であっても、筋道だったプランを示し、
安心感を与えながら、仲間と一緒になって
懸命に取り組む体制をつくっていく。
目先だけに囚われずに、第三者など、外のポジションからの発想が
求められるのだ。